キャバクラ・ラウンジ・スナック・ホストクラブ・麻雀店・ゲームセンター・パチンコ店などを営む場合は、営業所ごとに都道府県公安委員会から風俗営業許可を取得しなければなりません。
バー・ガールズバー・居酒屋・カラオケ店・などでは深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要になります。
上記の営業では、人的要件、場所的要件、構造的要件が厳しく規制されています。申請書類も営業所平面図、求積図、椅子・机の寸法図、照明・音響設備図面など詳細な図面が必要となり、作業にはとても手間がかかります。
費用はかかりますが不慣れな方が申請をしますと警察署へ何回も行き、担当者とやり取りや修正を重ねることになります。場合によっては建物オーナーに内装工事をしてもらわないと許可がおりないケースも存在しますので、店舗の賃貸借契約前にご相談して頂くのが最善かと思います。
私と他の方にも見積もりを取られて報酬額の安い方にご依頼された後、私の方に依頼しておけば良かったというご意見も頂いたことがあります。「後から料金が変わった」「忙しいなどの理由で申請までに時間がかかった」などです。全てのケースではありませんが、安い理由はあるかと思います。1日でも早く開店できれば、売上にもつながります。許可までが長引けば、その間空家賃を支払うことにもなりますので報酬額よりもメリットを感じて頂けるはずです。

愛媛県ではスムーズにいっても申請準備から許可まで約3か月以上かかりますので、早めの準備が必要です。スケルトン・テナントの場合などによってはもっとかかることもあります。この期間は都道府県公安委員会によって若干違いがあったり、時期によっても異なりがありますのでご理解下さい。

風俗営業許可

(1)風俗営業とは?

風営法では、風俗営業とは次の営業をいい、許可が必要とされています。

  • 1号営業 ホストクラブ、キャバクラなど、接待をし飲食をさせる営業
  • 2号営業 低照度飲食店 (客席照明10ルクス以下で飲食をさせる営業)
  • 3号営業 見通し困難で、5㎡以下の区画で客に飲食させる営業
  • 4号営業 麻雀店、パチンコ店などの営業
  • 5号営業 アミューズメントカジノ、ゲームセンターなどの営業
  • 特定遊興飲食店営業 深夜+遊興+飲酒 (朝までダンス可)

(2)許可要件

人的要件

一定の者について、風俗営業の許可を受けることができないものと定めています。例えば

  • 成年被後見人、保佐人、破産者で復権を得ない者
  • 1年以上の懲役もしくは禁錮の刑に処せられ、その執行が終わった日から5年を経過しない者
  • 無許可風俗営業等で、一年未満の懲役もしくは罰金の刑に処せられ、その執行が終わった日から5年を経過しない者 など

場所的要件

風俗営業は一定の用途地域では認められず、また、その地域以外であっても、学校や病院などの保全対象施設から一定の距離以内の場所では営業が認められていません。例えば

  • 住居専用地域では原則営業できない
  • 大学以外の学校の敷地の周囲100m以内の地域は営業できない
  • 大学、図書館、病院、診療所(入院施設のあるもの)の敷地の周囲70m以内の地域は営業できない 

※保全対象施設の距離基準などは営業種別・条例によって個別地域で違いがあります。松山市でも条例で定められているので上記とは数字が違うため確認が必要です。

構造的要件

風俗営業を行うために必要な施設・設備になっているかという要件で、その営業の種類ごとに許可の要件が定められています、例えば1号営業の場合

  • 客席の床面積が16.5㎡(1室の場合は制限なし)あること
  • 客室に見通しを防げる設備がないこと(概ね1mを超える仕切り等)
  • 営業所の照明は5ルクスを超えて、照明スイッチはスライダックスでないこと(管轄によってスライダックスは許容してもらえる)

(3)許可申請手続き

1 許可申請書に添付書類を添付して、手数料を納入した上で、当該風俗営業を営もうとする地域を管轄する警察署を経由して、公安委員会に申請します。
2 許可申請がなされると、公安委員会による構造検査があります。
3 検査の結果、必要な要件を備えていると許可が下り、許可証が交付されます。

必要な図面

風俗営業許可の図面は建築設計図面をそのまま使うことはできません。
当事務所では建築士と同行して現地にて、レーザー測量機等で細かく測量等を行いCADで図面を作成しています。椅子・机などの寸法も細かく測量等を行いCADで図面を作成しています。

深夜酒類提供飲食店営業の届出

深夜12時以降にお酒を提供するお店を営業する場合は、都道府県公安委員会へ深夜酒類提供飲食店営業の届出をしなければなりません。
風俗営業許可ほど基準は厳しくありませんが、場所によっては営業できない所もあります。

また深夜酒類提供飲食店営業は、接待行為等はできません。
接待行為等をするなら、風俗営業許可が必要ですが、風俗営業許可の場合は深夜12時までしか営業できません。(場所によっては深夜1時までできます。)

なお、ファミリーレストラン等、営業の常態として通常主食として認められる食事を提供するお店は、深夜12時以降も営業してお酒を提供しても届出が不要ですが、カラオケボックスなどが、深夜12時以降も営業してお酒を提供する場合は、深夜酒類提供飲食店営業に該当し、届出が必要とされています。

(1)届出が必要な営業所

夜12時以降、お酒を主として提供するお店

(2)営業所の基準

  • 客室の床面積が9.5㎡以上(1室の場合は制限なし)であること
  • 客室に見通しを妨げる設備がないこと
  • 善良な風俗等を害するおそれのある写真、装飾等の設備がないこと
  • 客室の出入口に施錠の設備がないこと(営業所外に直接通ずる出入口は除く)
  • 営業所の照度が20ルクス以上であること
  • 騒音、振動の数値が条例で定める数値以下であること
  • ダンスをする踊り場がないこと

(3)届出等の方法

  1. 所定の届出書に添付書類を添付して、当該営業所を営もうとする地域を管轄する警察署を経由して、公安委員会に届出。
  2. 営業を開始する10日前までに届出が必要。

食品衛生許可

飲食店営業許可を取るための要件

飲食店営業許可は申請さえすれば簡単に取れるというものではなく、厨房やトイレなど設備の仕様が基準に合致しなければいけません。また人的資格にも要件があります。
この基準については以前より厳しくなったりもしますので事前に保健所確認が必要です。

はたしてどういう要件を整えれば飲食店営業許可を取ることができるのでしょうか。

食品衛生責任者が必要

飲食店営業許可を取得するためには、食品衛生責任者を必ず配置してください。

栄養士や調理師の資格のある人は食品衛生責任者になることができますが、それらの資格がない人は食品衛生責任者講習を受講する必要があります。

地方によっては講習会の開催がまばらなところもありますから、なるべく早い段階で受講を申し込んでおきましょう。

許可時に間に合わなければ、誓約書の提出で許可を得ることができますが、申請から3カ月以内に食品衛生責任者を配属させて届出をしないと、許可が取り消されることがあります。食品衛生責任者については、飲食店の構想段階から対応を検討しておきましょう。

客室から区切られた厨房を設けること

厨房はカウンターやスウィングドアなどで仕切られた区画が必要です。

また厨房の床の仕上げは、タイル・コンクリートなどの排水性のよいものでなければなりません。

流し台は2槽必要。

その他従業員の専用手洗い設備を設置する。

便所を設けること

飲食店には客が使用する便所を設けなくてはいけません。配置は厨房に影響のない場所とし、専用の手洗い設備の設置が必要です。専用の手洗い設備と便器の間には仕切りドアが必要です。

工事着手前に相談に行く

飲食店営業許可に際して、保健所は正式な図面がない段階でも事前協議をしてくれます。

厨房や客用便所などの配置について基本的な考えを押さえておかないと、正式に図面を書いて、設備配管をした後で基準に合わないことが判明したら、取り返しのつかないことになります。

基準は以前より厳しくなったり、保健所ごとに重視するポイントが異なったり、独自のルールが設けられていたりする場合があり、それらを事前に確認しておくことがポイントです。

申請後のアフターフォローも充実

私自身が風俗営業許可申請・深夜酒類提供飲食店営業の届出をして飲食店や麻雀店の経営をした経験があります。申請以外にも設備の相談や経営方法など経験に伴った知識はもっております。

微力ではありますが、お力になれればと考えておりますのでお気軽にご相談下さい!